リアルな空間で通常の外来を、バーチャルな空間で新型コロナ発熱外来を。

オンライン診療 by Hospital Support導入の背景

オンライン診療を導入していただくことになったきっかけを教えてください。

まず前提として、小売業が店舗販売からネットショッピングに変化していったように、医療も対面診療と並行して、オンラインでの診療の市場が成長していくだろうという予想をしていました。ただ、高齢の方はオンラインでのやり取りはおそらく苦手だと考えていました。そこで、これから病気になる可能性がある予備軍の40代から50代の方々をターゲットに、オンライン診療という、新たなコンタクトポイント、チャンネルを開拓していこうと考えました。40代から50代であれば、オンラインやネットなどに慣れていると考えたからです。ちょうどそのタイミングで、新型コロナウイルスの流行があり、オンライン診療に対する規制緩和と診療報酬改定が行われました。そこで、このチャンスを活かして、まずは20代から50代をターゲットにした発熱外来をやってみようということにしました。

オンライン診療をどのように活用されていますか?

患者さんは、「自分は新型コロナに感染しかもしれない」という動機で受診されます。病院としては、新型コロナに感染した疑いのある方を院内に入れたくないのですが、病院として「新型コロナの疑いのある患者さんを全く診ませんよ」という訳にはいかない。「(新型コロナが疑われる患者さんも)診ますよ」としたいけれども、既存の患者さんとは分離しなければならない。こうしたジレンマの中で、どのように分離しようかと考えた時に、一般的には診察時間をずらしたり、診察室を分けたりして対応しますが、私は、リアルな空間を通常の外来に、バーチャルな空間を新型コロナの患者さんに使おうと考えました。新型コロナの疑いのある患者さんをオンラインで診察することによって、感染防止と隔離を行おうと考えたわけです。

処方箋を「カシャ・ポチッ」で薬局に送信できるのはとても楽。

他社にもオンライン診療サービスがある中で、ホスピタルサポートを選んだ理由を教えてください。

一番大きかったのは、処方箋の送信が非常に簡単に行うことができる点です。他社の場合、オンライン決済まではいいのですが、薬を取りに行く時に結局すごくオペレーションが手間になってしまいます。ですが、ホスピタルサポートの場合は、処方箋の写真を撮って、ボタンを押すだけで薬局に処方箋を送ることができるので、非常に便利だなと思います。オンライン診療を利用される患者さんは若い方が多いので、EPARK加盟店の大手のドラッグストアなどを、「あ、ここだったら近いし、前に何か買いに行ったことがあるから」といって選ばれるケースが多いかなと思います。

他社にもオンライン診療サービスがある中で、ホスピタルサポートを選んだ理由を教えてください。

実際に利用されているのは、どのような方でしょうか?

年代は、20代から30代がほとんどで、合わせて90%近いと思います。40代の方も少しいらっしゃいますが、50代以上の方はいません。

PCが1台あれば、場所を選ばず診療をすることができる。

診察はどこでされているのでしょうか?

理事長室か診察室のどちらかです。ただ、基本的に診療に関しては基準が厳しくなく、すぐ病院に連絡が取れるところであれば大丈夫です。だから私自身は、時間帯によっては患者さんの急な要望があれば自宅や、新幹線の中で診療を行うこともあります。

オンライン診療を導入するにあたって、不安要素や心配事はありましたか?

実際に患者さんがシステムを触った時に、操作性という部分で少し心配しましたが、診療後のアンケートで「操作に迷った」「操作が難しかった」などという回答はほとんどなかったので、安心しました。

今はまだオンライン診療の黎明期。だからこそ可能性が広がっている。

現状、発熱外来のみでオンライン診療をされていますが、今後、他の診療科目でも導入していこうとお考えですか?

そうですね。今後やっていこうとは思っていますが、発熱外来の患者数がまだまだ少ないので、週に4~5件の予約がコンスタントに入るようになってからですね。アンケートの結果からも、オンライン診療を知らなかったという方がかなり多いということがわかっています。今はまだ、患者さんの行動が、「調子悪いからオンラインで診てもらおう」ということにはなっていないということだと思います。これも小売業と同じことが言えると思うのですが、ひと昔前は店舗で商品を見て購入することが当たり前でしたが、今はショッピングサイトやSNSで商品を比較検討して購入することが一般的になっています。「オンライン診療が進まない」とよく言われるのですが、これはまだみんなが慣れていない時期だからだと思っています。逆に言えば、オンライン診療にとって、今はまだネットショッピングが始まる前と同じような時期なので、チャンスだと思っています。実際にオンライン診療を利用された方の満足度は非常に高く、「次も利用したい」という方も多いです。今のうちにオンライン診療ができるインフラやオペレーションを整えておくことで、ヒットした時に対応できると考えています。

あとがき

パンデミック前からオンライン診療を検討されており、医療業界の20年後、30年後を見据えているからこそのお話をお聞きすることができました。くすりの窓口としては、メイトウホスピタル様の今後の医療の在り方に注目し、引き続きお手伝いしていきたいと思います。